2015/02/19

20150214-15 三条の湯

友人たちと三条の湯に行ってきた。
お祭 - (後山林道) - 三条の湯 - サオラ峠 - 丹波天平 - 丹波

* * *

「三条の湯は気になるけど中途半端な場所にあるから泊まったことない。」って人結構多いと思う。
かくいう自分もずっとそうだった。

下山途中に泊まるには下界に近すぎるし、縦走中に立ち寄る場所でもない。
かといって目的地にするには少し歩き足りないかな、というのが素直な感想。

でも冬なら、友人たちとなら、そこを目的地にするのも悪くないかなと思い、行ってきた。

奥多摩駅に集合したのは10:30。
遅い集合ながら、道中は「奥多摩はやっぱり遠いなぁ」と今まで何度も持った感想を思い出す。
そういえば奥多摩に来るのは久しぶりだ。

無事遅刻者もなく集合したところで、早速バスに乗り込む。
乗り込んだのはいいがそのバスは行き先違いで、危うく初っ端からつまづくところだった。

冬だし時間も遅いので丹波に向かうバスは空いていた。お祭バス停で一緒に数組が下車する。
きっと行き先は同じだろう。

まずは悪名高き後山林道で三条の湯を目指す。なんせ林道だけで3時間のコースタイムだ。

南腹に付けられた林道なので一部を除き陽当りは良い。
停滞時に重きを置いて防寒重視のレイヤリングで来たが、すぐに暑くなってしまい脱ぎ去る。
結局2日通じて行動時にミドルレイヤーの出番は無かった。

退屈な道も5人で歩けば少しは気も紛れる。
ハイカーが集まれば山の話、道具の話、話題は尽きない。

登山道であれば縦に並んで歩くので会話も制限されるが、林道なので横に並ぶことが出来る。
そのおかげで話が弾んだと考えれば、意外と林道も悪くないのかもしれない。

ただひとつ言えるのは、やっぱりソロでは歩きたくない道だということだ。

そんなこんなでスタートからおおよそ3時間半。コースタイム通りに三条の湯に到着。
ガラガラを予想していたが、この日は団体の宿泊が入っているようで小屋はかなり賑やかそう。

早速幕営の受付を済ませる。小屋の食事の時間以外は食堂も開放してくれるとのこと。
というか実際は事前のリサーチでそれをアテにして来た部分もある。ぬくぬく宴会がしたい。

テン場は他に先客が1張のみで、距離を置いた高台に張っていたので貸し切りだった。
小さい適地が点在している地形なので、皆で輪になって張れないのが残念。

シェルターの設営に取り掛かる。
1年半ぶりにLunar Soloを持ちだした。前回使用時に強風で崩壊したので随所に綻びが出ている。
あちこち縫って補修したが、いざ張ってみるとまだ補強が必要な箇所が見つかった。
シェルターって大きいから縫うの面倒なんだよな。これはまた出動まで間が空きそうな予感…。

Lunar Soloは非自立なのでペグダウン命なのだが、凍結でペグが刺さらない懸念があった。
対策として貫通用のペグを何種類か持ってきたが、全く歯が立たたなかった。
1本75gもあるソリステも持ってきたのに!この役立たず!

なんやかんやで試行錯誤していたら設営に何十分もかかってしまった。
結局石を使って張ったが、何往復も石を運ぶその姿はさながらピラミッドを作る奴隷のようだと揶揄された。

ツェルトの友人も苦労していた。
同様にソリステを持参していてちょっと笑った。考えることは一緒なんだな。
石でペグを打ち込んでいたら石の方が耐え切れずに割れてて、さらに苦笑…。

一方の自立組はあっという間に設営を終えていた。
しかも意図せず高い場所に自立組、低い場所に非自立組と分かれていたのでさらに格差感が強調される。
さながら奴隷の労働を高いところから見下す使用者たちだ(被害妄想)。

こちらも使用者側のBDのハイライト。EPICを使った旧モデル。
個人的に自立熱が高まっているところにこれを見せられると物欲が…。


高級テント、NORDISKのテレマーク2LW。初めて現物を見た。
もう少し軽いものもあるが(ULW)、ポールがアルミかカーボンかの違いとなっている。

中は少し窮屈そうだけど、完全ダブルウォールで前室も広めなので使い勝手は良さそうだった。
一番のネックはやっぱり値段で、ちょっと手出し出来ないかな…。

設営も終わり落ち着いたら、宴会前に風呂へ向かう。
山で湯に浸かる、至福の時。芯から温まりぽかぽか状態で宴会に備える。


食堂を間借りして宴会。風呂効果により序盤は防寒着を全て脱いだ状態で臨む。

それにしてもなんて快適な環境なんだろう、ずっとここに居たいと感じた。
テントで一人だったら間違いなくエイヒレなんか炙って無かったはずだ。

寝る前にもう一度湯に浸かりたかったので、20:00にお開き(風呂は20:30まで)。
風呂から出てすぐに寝袋にくるまったら暑すぎるほどだった。

この日の就寝道具は以下のとおり。

[寝袋]
  mont-bell U.L SS Down Hugger #3
  Locus Gear Nyx
[マット]
  Therm-A-Rest NeoAir XTherm
[防寒着]
  Western Mountaineering Flash Jacket
  The North Face Light Heat Pants
  HIGHLAND DESIGNS Down Socks UDD

明け方に見た温度計は-7度(テント内)で、だいたい想像通りの気温だった。
少し寒さを感じて目を覚ますことはあったが、概ね調度良い保温具合だったと思う。
モンベルのシュラフの上に重ねたNyxは結露で湿っていた。

NeoAir XThermは素晴らしい。
地面の冷えを感じない、というのはこの気温なので当然かもしれないが、とにかく寝心地が良い。
だいたいどのマットを使ってもいつも腰が痛くなるのだが、この日はそれを感じなかった。

翌朝は太陽が昇ってからゆっくりと準備を開始。朝のんびり出来るっていいな。

みんな朝から何かしら調理をしている。
無印バウムで済ませた自分は手持ち無沙汰になり、気づけば朝からコーヒーを3杯も飲んでいた。


当初は50Lの山と道ONEを使う予定だったが、外付けをフル活用して30LのMyog BackPackに押し込んだ。

夏に比べて寝袋と防寒着が増えているので嵩とベースウェイトは増えている。
ただ担ぐ水の量が半分以下なので、トータルウェイトはむしろ軽くなっているかも。

背負っていて重さは全然感じなかった。

皆のバックパック。

[L to R]
 山と道×STOF U.L.FramePack ONE
 山と道 MINI
 Gossamer Gear G4
 MYOG BackPack
 GRANITE GEAR   NIMBUS TRACE

まずはサオラ峠(サヲウラ峠・竿裏峠)を目指す。

ところどころ道が崩壊気味で、結構気を使う場面が多かった。


基本的にはずっと山腹をトラバースなので、いくつも小さな沢を超える。
とはいえ水平移動一辺倒ではなく、水平移動しながらアップダウンを繰り返す(主にアップ)。

場所によっては膝下のラッセルを強いられるところもあった。
といっても自分は真ん中にいたので踏跡をなぞって歩くだけなのだが。

進むに連れて陽が差し込む明るい森になってくる。
そうなれば、サオラ峠まではあと少しだ。

サオラ峠からは明るい天平尾根に乗る。
「奥多摩で気持ち良い場所」といえば石尾根かここを挙げる人が多いだろう。


歩いている場所は紛れも無く尾根なのだが、尾根を歩いているという感覚を覚えない。
この辺りはカラマツ林で、奥多摩というより奥秩父に踏み込んだ印象を持つ。
境目はよくわからないし区別する必要も無いが、自分の中では奥秩父=カラマツのイメージが強い。

冬の天平は初めてなんだけど、視界が開けるこの辺りはコントラストが美しい。
写真左手側は広葉樹林なので新緑の季節に来るのもお勧め。


親川と丹波を分ける分岐点で少し休憩。ここからは尾根を抜け、丹波に下る。

以前は破線だった丹波に下る道も、今では実線になっている。
ここも歩きづらいエリアだ。すべりやすい砂に、落ち葉の下の凍結やそれが溶けた泥。
多くのトラップが仕込まれている。


上から見ると丹波の町並みが遥か下方にあるように感じたが、想像より早く小学校に到着。

足元に気を使いながらも頭の中ではずっと下山後の温泉のことを考えていた。
気温が高いので結構汗もかいていたのだ。

というわけで、お待ちかねの「のめこいの湯」へ。
バスまでは1時間半くらい余裕があったので、ゆっくりと過ごせる。
この時期は人も少なくて良い。

腹が減っていたので、湯上がりに定番の丹波鹿カレーとビールを注文。
いい感じに気持よくなって帰りのバスは熟睡だった。

三条の湯、手軽だし温まれるしで、冬にならまた来てもいいと思った。

* * *

内容とは関係ないが初日の2/14は自分の30歳の誕生日だった。

20代半ば、急転直下で傾倒したハイキング。
きっかけは群馬の水上での観光だった。ラフティングをして温泉に泊まって帰る予定だった。
余った時間で向かった一ノ倉沢。見上げた谷川岳に一瞬で心を奪われた。

気づいたらバックパックを背負って、登山靴を履いて、山に登っていた。

熱しやすく冷めやすい性格なので、趣味として長く続くとは思わなかった。
ストイックなのは向いていないので、あくまでゆるくのんびりと歩いてきたのが良かったのかも。

そういえばこのブログのタイトル、当初は「laid-back mountain」にしようと考えていた。
30代もゆっくりと、そんな感じで歩き続けたい。

7 件のコメント:

  1. 三条の湯ハイクお疲れ様でした、読んでいたらまた行きたくなりました・・・。あそこは仲間とのんびり行くのが良い場所だと思いますよ。
    高台に張ってあったテントって、モンベルのULドームシェルターじゃなかったですか?緑色の・・・。

    誕生日おめでとうございます。
    バレンタインに誕生日なんてロマンチックな!30代もステキなHike&Lifeを!

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    1. ありがとうございます!
      そういえば初めて行くので色々と調べてたら、まささんのBlogの年末の記事が出てきたので勉強させてもらいました笑
      そうです、ULドームシェルターでした!ご存知なんですか?

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    2. あ、やっぱり(^^)
      その方昨年12月の最初に三条の湯に行ったときに夜一緒に飲んだ方なんですよ。常連さんらしいです。あの高台は定位置なんですねw
      奥多摩の雪ももうじきピークだし、そろそろ山に泊まりに行きたいとこです(^^)/

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    3. そうだったんですね!確かに常連じゃないとあの位置に張ろうとはならないようなw
      奥多摩いい時期ですね!静かな山寝を堪能しに!

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  2. ノルディスク テレマーク2LW 今はお安く買えますよ 関税込みで54000円

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  3. はじめまして。冬山テント泊にて迷い中なんですが、NYXの外にsol escape bivvyまでは確定していますが、NYXの中にアルパインダウンハガーの#2か#3か迷っています。厳冬期は八ヶ岳程度まで。あとは里山テント泊程度の予定です。ご教授願います

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    1. 里山であれば#3で問題ないと思いますが、私であれば八ヶ岳であれば#2を選択すると思います。
      ちなみに周囲の人と比べる限り私は特別寒がりなわけでも寒さに強いわけでもないと感じます。

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